2018年3月26日
この世界の片隅に

inouemini2

「この世界の片隅に」

デジタルプレミアムコース:日本映画専門チャンネル(125ch)

(あらすじ)

太平洋戦争末期の広島を舞台にした、こうの史代の同名漫画を映画化。絵を描くのが好きな18歳のすずに縁談がやってきた。相手は海軍勤務の周作。良いも悪いもわからないまま、1944年(昭和19年)2月、すずは軍港として栄える街・呉へとお嫁にいく。夫の両親は優しいが、義姉の径子は厳しい。だが、その娘の晴美とは仲良しになる。道に迷って遊女のリンと友達になったり、幼馴染の哲が現れて複雑な思いになったり。
配給物資がだんだん減っていく中でも、すずは工夫を凝らして、毎日のくらしを積み重ねていく。そして、昭和20年の夏を迎える。
第40回日本アカデミー賞 最優秀アニメーション作品賞受賞/2016年 第90回キネマ旬報ベスト・テン (日本映画ベスト・テン第1位・日本映画監督賞・読者選出 日本映画ベスト・テン 第1位)ほか映画各賞を受賞。

(井上公子の今日のイチバン↓)

一昨年来ずっと話題の映画を、日本映画専門チャンネルでやっと見た。たくさんの人が劇場に赴き、異例のロングラン、各賞も取った理由が分かった。放映後のインタビューで監督が語っていた言葉の中に「手ざわり」があった。登場人物や物語に「手ざわり」を感じられるかどうか、これは映画の成否にかかわるポイントだと思っている。エンターティンメントのフィクションにも「手ざわり」はある。今年のアカデミー作品賞受賞の「シェイプ・オブ・ウォーター」は物語の本筋と関係ないようなエピソードを重ねて、登場人物の人となりを浮き上がらせ、結果として私は物語に引き込まれた。賞を取ったのだから、たくさんの人が私と同じ気持ちだったということ。
主人公の「すず」について、幼馴染と、夫と、つながっていく人々との多様な面を表現していく事で、「すず」がこの映画のヒロインから、戦争の時代を生きた身近な人になる。「すず」が主婦として家族の台所を守る懸命さも、何もないからこそ、楽しみを見出す豊かさを感じる。人生、どんな荒波に向き合うことになっても、知恵と想像力で乗り越えていける、勇気も湧いてくる。

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