2018年5月16日
たたら侍

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©2017「たたら侍」製作委員会

映画「たたら侍」

デジタルプレミアムコース:時代劇専門チャンネル(159ch)

放送日:5月26日(土)23:00~ほか

(番組概要)

奥出雲で1300年以上にわたって継承されている伝統的製鉄技法「たたら吹き」を題材に“本当の強さとは何か”“真の日本人とは何か”を問いかける大作時代劇!

(井上公子の今日のイチバン↓)

何の予備知識も先入観もなく見ました。「たたら」という言葉だけに興味を惹かれました。「もののけ姫」に「たたら場」が出てきましたね。日本古来の製鉄所です。女性たちがとても明るく元気にふいごで火を起こしていたシーンが印象的でした。そこからの出発だったので、舞台は東北だとばかり思い込んでいたら”出雲”でした。しかも、島根県の観光PR、日本の伝統芸能・工芸技術の紹介、そしてエグザイルが出演・・・といろんな要素を詰め込んだエンターテインメントだったのですね。
ストーリーは、伝統のたたらを守る家に生まれた主人公が、侍になろうと(戦国時代の話です)戦場に出て、命からがら村に戻ってくる。そこに怪しい商人が…もののけ姫にもいましたね、山伏にふんした怪しいキャラクター。
「これからの戦は鉄砲の時代。信長軍が村のたたらを奪いに来るから、守りを固めては?」と主人公をたきつけます。たたら場の主である父親や村の長老たち、幼馴染の反対や進言を受け入れず、「鉄砲で迎え撃とう」と商人のアドバイスのまま鉄砲を量産します。できた鉄砲の打ち方を、女性や子どもにまで教えて臨戦態勢。領地の殿様のもとへ助けを求めた幼馴染さえも鉄砲で追っ払うことになり、空気は予期せぬ方向に。商人は、村人だけでは戦いなれないからと、手下の野武士を村に招き入れ、村はまるで乗っ取られたかのように自由が利かなくなります。
「こんなはずではなかった」「何か、自分の思いとは違う方向に流れている気がする・・・」戸惑う主人公にたたらに大切な炭焼きの古老が言います。「一度動き始めた流れを止めることは出来ない」と。「自分の村を守りたい!」侍になり損ねた身だからこそ、盲目的に突っ走ってしまったけれど、間違った選択だったのではない・・・自らの過ちに気付いた時には、村の実権は商人たちの手に・・・「村を守る」という大義の前に、村人たちの思いは踏みつけられていくのです。
太平洋戦争に突入していった過去の日本のようですね。そう、動き出してしまったらもう遅いのです。そして、ついに、止めに入った幼馴染が商人の一派に殺されます。主人公も傷を負います。血が流れ、命が失われて初めて気づくのです。本当に大切なものは何か。
商人の狙いはなんだったのか、そこは分かりません。秀吉が手配したものか…との疑いも浮上しますが、謎のまま。領主に助けられ、商人一派を駆逐することに成功しますが、最後に商人は「あなたが村を守りたいというから力を貸したのだ」と。日米関係を思い浮かべてしまうのは考えすぎでしょうか・・・。
製作費10億の大作。島根県、石見銀山、日本刀剣、たたら吹き、北前船保存会、エグザイルのわきを固めるベテラン俳優・・・本当にたくさんの人が関わった作品のようですが、事情で公開打ち切りとなり(ネットに出てました)存在を知らない人も多いと思います。私個人的には、たたらの溶鉱炉?を製作していく過程など興味深かったです。話が見えづらい難点はありますが、大切なことを、今だから考えさせられる映画でした。

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